SEGA RALLY CHAMPIONSHIP
Sega Rally
Producer
Developed & Pubrished by SEGA
Arcade / Sega Saturn / PC
©SEGA
1994年、僕自身が初めてプロデュースしたゲームです。WRC(World Rally Championship)で活躍した実在のチャンピオンカー、「トヨタ・セリカ」と「ランチア・デルタ・インテグラーレ」の2台を操り、砂漠や森、そして都市の中を疾走する楽しさを体感ゲームに仕立てました。アーケード版は全世界で12000台以上製造され、街のゲームセンターから空港のロビーまで、世界のさまざまな場所に設置されました。
筺体の椅子の下には大型のウーファが仕込まれており、ステアリングを左右に切った時に生じる「車底にあたる砂利の音」などもリアルな体感として再現しています。Delux版においては、クラッチが切り替わる際のノッキング(前にカクンとくる微妙な動き)やステアリングへのフォースフィードバックも、電動モーターによって細かく追求しました。「セガラリー・チャンピオンシップ」はビデオゲームの歴史において、初めて実車(=実際の車)をゲームに登場させた作品となります。アーケードの筺体には各メーカーのロゴを始め、タイヤメーカーやオイルメーカーなどのステッカーチューンが施されています。トヨタ社をはじめ、タイアップによるイベント共催など、ゲーム以外での展開も積極的におこないました。セガのテーマパーク「ジョイポリス」においては、ラリーカーの実車を巨大な油圧モーションベースの上に載せ(バナー写真参照)、ほぼ現実のラリーレースのドリフトやジャンプなどを体験できる「Sega Rally Special Stage」というアトラクションも開発しました。
実際のラリーカーでダートコースを何度も走り、時には車を大破させながら、「ドリフトの楽しさ」「熱い走り」などを実体験しながら、ゲーム制作における体験の重要性を感じ始めたのはこの頃からです。スタッフと一緒に世界中を回り、いろいろな風景を探しながら、企画を練り上げていくという、ロードムービー的な、ロードゲームのようなスタイルがこの頃から出来上がっていったように思います。「ゲームは経験のデザイン」という発想の元、体験主義的なモノづくりのスタイルに徐々に向かっていきました。
その後、ホンダの協力を得て、マン島のTTレースをモチーフにしたバイクの体感ゲーム「Manx TT」(1996)を、メルセデスやアルファロメオの協力を得て「Sega Touring Car Championship」(1997)を、そして1998年に「Sega Rally 2」のプロデュースを手掛けました。
Sega Rally Championship(1995)
Manx TT(1996)
Sega Touring Car Championship(1997)
Sega Rally 2 (1998)
Producer
Developed & Pubrished by SEGA
Arcade / Sega Saturn / Sega Dreamcast / PC / Playstation 2
©SEGA